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〜伝統と文化に酔いしれるひと時〜ウィーンの華麗なる舞踏会(後編)

 ハイライトは、デビュタント(社交界にデビューする若い男女達)のお披露目ダンス。 前列には大使や大企業の子女、外国のプリンセスなどが並び、国営テレビの生放送で 紹介され、小さな王冠と白いドレス姿のデビュタントは女性達の憧れとなっています。  広いオペラ座全体が数万本もの花で飾られ、豪華なシャンデリアの下で女性達が くるくるとワルツを踊るとドレスが広がって、フロア中に美しい花が咲いたよう・・・こんな夢のような“別世界”に、参加した人誰もが魅了されてしまうのです。




 一方で、一般には公表されず、招待状を受け取った貴族たちの舞踏会もあります。 筆者も伯爵である友人に連れられ参加しましたが、紹介された人達はオーストリアや旧ハプスブルグ帝国下にあった周辺国の貴族ばかり、プリンセスと呼ばれている人もいました。  公には貴族制度は廃止されていても、やはりれっきとした社交界は現存し、独特の別世界がそこにはありました。

 ある友人(男爵)は、ウィーンの舞踏会についてこんな風に話してくれました: 「舞踏会は上流階級のイベントであったから、今も一番大切なのは、社交なんだ。 場所、服装、音楽、そしてマナーも大事な文化で、ダンスはマナーのひとつに 過ぎない。またどれもが“非日常”であること・・・それらを総合して楽しむ場なのが、 ただのパーティーと違うことを伝えてほしい。」−それはもちろん、筆者自身も、 数多くの舞踏会や友人達から、実感してきていることでもあったのです。
 今年も、舞踏会シーズンがやってきました。“ウィーンの舞踏会は、ただ踊る だけの場ではありません”と、機会あるごとにお話させて頂いていますが、すべてが “本物”であることの価値、歴史と伝統に裏打ちされた文化を感じ、その中に自分も 参加できるという楽しさと喜び、ーそれらすべてを、ぜひ、多くの方に体感してきて 頂きたいと思っています。

文章・写真: クローネマキコさん
クライネ・クローネ代表。舞踏会への参加のアレンジやマナー教室も開催している。
http://www.kleine-krone.com

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